スリランカにはセイロン象がいます.

スリランカ仏教界では象は非常に重要な動物で,
ブッダの生まれ変わりまたは使者として崇められているようです.
有力な寺院は象を何頭も保有し,仏教儀式には必ず着飾った象が出てきます.

セイロン象はアフリカ象のような立派なキバがありません.
でもごく稀に立派なキバを持つ雄象が現れます.
そんな象を持つことは寺院にとってとても名誉なことです.

象は,このように人々の信仰の対象であると共に,
一部の観光地では観光資源としても使われます.

エレファント・サファリなどと名づけられ,観光客が象の背に乗って
ジャングルを散歩するのです.

そんな象は悲しい目をしている,と書きたいところですが,
本当はそんな象は悲しい目さえしていません.
何も考えていないような堕落した目をしています.

そこには野生の鋭さを持たず,悲しくもなく,
人間に媚び,安定した生活に甘んじている目があります.

地方に行くと,野生の象に殺された,というような話をごく稀にですが耳にします.
実際象よけのカカシを頻繁に目にする地域もあります.

僕も野生の象を見たことはありませんが,ジャングルに入っていくとたまに
象の足跡は目にします.

僕は高校の頃,夢を持っていました.

ジャングルをさまよっていて,疲れたなーと思って,
木々の合間をふと覗くと,遠くで象の群れが歩いている...
そういう仕事をしたいな.

まるで夜に見る夢のような将来の夢ですが,漠然とそんなことを思っていました.

そんな夢の影響もあり,大学では熱帯林か砂漠か,
なにかアジア,アフリカに関わる勉強をしたいと思いました.

スリランカ滞在中は野生の象と出会う機会がありませんでしたが,
今度時間ができたらスリランカに野生の象に会いに行こうと思います.


実は僕が水路の水位を測っていたポイントの1つに,象の洗い場がありました.
エレファント・サファリに使われる象の身体を洗うのです.

狭い水路に象がゴロンと寝転がると,一気に見かけの水位が変わり,
本当は研究にとってはすごい迷惑なんですが,それでも僕は興味津々でした.

象は水につかると,うまい具合に鼻を水面から出し,気道を確保するのです.

ところで,象は近くでみると,産毛がいっぱい生えています.
その産毛はすごく硬く,まるで箒の先のようです.
象の尻尾の毛は「幸運をもたらす」と伝えられていて,指輪やブレスレッドに使用されます.

人間も象たちに何か幸運をもたらしてあげれるようなことができたらいいのですが.