ソチミルコ(Xochimilco)


メキシコシティーの中心部から南に15kmほど行ったメキシコシティー郊外に、ソチミルコという世界遺産に登録されている水路地帯があります。メキシコシティーはスペインに征服される前のアステカ時代、大きな湖でした。その中心部、今のソカロ地区あたりは湖に浮かぶ島で、アステカ帝国の首都、テノチティトランがありました。湖は侵略したスペイン人によって埋め立てられましたが、今ソチミルコに残る水路はかつての湖の名残りだといわれています。下の写真、左は昔のメキシコシティーの風景を描いたものです(国立人類学博物館より)。

アステカ人は、島に住む多くの人々を養うため、湖に筏を浮かべて、湖の泥などを盛ったところでトウモロコシをはじめとする農作物を栽培していたようです。こんな自動灌漑農場を持っていたことで、乾季の時期でも作物が育つ、非常に生産性の高い農業をしていました。写真右はその様子が描かれた絵です(国立宮殿の壁画)。僕はアステカ人の変わった農業技術に少しでも触れてみたくて、とにかく湖の名残りだけでも見ようとソチミルコに行ってみました。結果はそれ以上のものがありました。’





行き方

メキシコシティーから郊外のソチミルコには、地下鉄と電車を乗り継いで行きます。まずはメトロ2号線の南の終着、Tasquenaまで行きます。そしてそこから電車に乗り換えて(ガイドブックなどでは路面電車と書いている場合がありますが、これは普通の電車です)、終着のソチミルコまで。出発する駅にもよりますが、電車の待ち時間なども含めて、メキシコシティー中心部から大体1時間半くらいでしょうか。ソチミルコの駅に着いてから船乗場までは表示も無くややこしいですが、その辺の人に聞いて教えてもらいながらいけば大丈夫です。


遊覧船

ソチミルコでのメインの遊びは遊覧船です。船頭さん付で1時間貸切りで、客引きはN$160と言ってきましたが、N$100じゃないと乗らない、と言うと最終的にN$120($11.04)になりました。まあうまく値切ればもっと安くなるのかどうかは知りません。結局大晦日だったこともあり、船頭さんにチップをN$40あげたので、合計はN$160ですね。1時間といえばだいぶんあるので、すごく安いです。

ソチミルコの水路はかなり長く、場所によって人気の無いところ、他の船がいっぱいいるところなど、バラエティーに富んでいます。どこもすごくきれいでした。



途中で船頭さんに頼んで、船を漕がしてもらったんですが、コツがわからないと難しいです。木の棒を水底に突き刺して漕いでいるだけなんだけど、木の棒がすぐに浮いてきます。面白い体験でした。その他、水上で会社の忘年会をしている船と友達になり、ビールをもらって一緒に飲んだりと、面白いハプニングもありました。
リゾートのカンクンと違い、メキシコシティーではいたるところでこういった現地の人との交流ができました。メキシコ人はフレンドリーなのかもしれません。




感想

ソチミルコ、ネットで調べた事前情報では、面白くないというような意見も多くあったので、少し心配もしていました。でも僕たちはすごく楽しめました。行ってすごく良かったです。行った理由の「かつての湖の名残りを見る」というのは、結局現存しているのはただの水路だけなので、そこからかつての湖を想像する気にもなりませんでした。でも、すごくのどかできれいな水路上でのまったりとした時間は、メキシコシティーの他の観光地とは全然違った魅力があります。水路のにぎやかなところでは、いろんな商売の船が横付けしてきます。お菓子売りだとか、演奏だとか、写真を撮りますだとか。そういうのも面白かったです。

ソチミルコまでは地下鉄と電車の乗り継ぎでけっこう長い間電車に乗りますが、中心部の込んでいる地下鉄ではみかけない「電車内物売り」が、込んでいる地域を過ぎると一駅ごとに入れ替わり立ち代り乗ってきます。CDを売ったり、お菓子を売ったり、新聞を売ったり、ペンチやドライバーセットを売ったり、そういうのを見ていると、電車内も飽きません。下の写真のように、陽気なミュージシャンも乗り込んで来て、実演の上CD販売をしていました。一つ$1だったので、記念に買いました。

ソチミルコは僕としては超お勧めな場所なんですが、面白くなかった人も多くいるようで、もしかしたら時期などにもよるのかもしれません。自分としては、機会があればまた行きたいところです。